ドラマと紅茶

ご覧頂きありがとうございます!映画と海外ドラマの簡単な感想と日々の出来事について少し 流行りには疎いです

映画「マディソン郡の橋」感想 若い頃は受け付けないと思って敬遠していたけど私がオバサンになったら少しは理解できたような気がする

1995年に公開された、同名ベストセラー小説をクリント・イーストウッド監督が

手掛けた有名な映画です。

一言で俗的に言ってしまえば「不倫映画」だし、綺麗に言えば「大人のラブ

ストーリー」ですが、基本的に若かろうが年老いてようが「ラブストーリー」は

私はあまり好きではありません。

と言ってもラブストーリーでも好きな映画もありますが基本的に好みではないです。

ですが、最近(半年くらい前?)鑑賞したので感想を書きたいと思います。ネタバレありです。

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 あらすじはご存じの方が多いと思うので省きます。

本当に簡単に書くと、アメリカの片田舎の平凡な主婦フランチェスカとカメラマンで

世界中を飛び回っている独身男性ロバートの4日間の恋のお話です。

 

観ようと思ったのは、クリント・イーストウッド監督の映画が割と好きだったり

(特に「グラン・トリノ」が個人的に好きです)、若かりし頃のクリントさんの

主演で初監督の作品「恐怖のメロディー」という映画を以前に観て、こちらは1971年

に公開されたストーカーのお話なんですが、今ではすっかり聞き慣れたストーカー

という怖い存在をこの頃から注視していたのね~と勝手に感心し、またこの映画の

頃は40代だと思いますが、すっかりお爺さんになってしまった彼しか知らなかった

ので、人気俳優だった理由が分かるというか、カッコいいと思ったのと、クリントさん

は割と問題提起する映画を撮る方なので、観ず嫌いも何だな~と私も年を取ったし…

と思ったのが理由です。

 

アメリカの田舎で暮らす主婦のフランチェスカメリル・ストリープさんが見事に

演じていました。当時40代だった彼女、現在は70代ですが、良い意味でその頃と

現在とあまり変わっていないと思います。映画「プラダを着た悪魔」で意地悪な

編集長や怖い女性のイメージもありましたが、名作「クレイマー・クレイマー」

でも子供を思うお母さんを演じていて、本当に知的で優しい役も恐ろしい上司の

役も演じられる素晴らしい俳優さんで私は好きです。この映画においては田舎の

地味な主婦でありながら、それでいてクリントさん演じるロバートに恋する乙女に

すっかりなっていて、いくつになっても女性って乙女なのね、と思いましたよ。

世界中を飛び回るロバートに他に恋人(いわゆる現地妻の存在)がいるのかとか

探りをいれて拗ねてみたり女友達はいるかと聞いては嫉妬したり、もしかしたら

自分とは遊びなのかも?と考えたり女子全開でした。

 

一方、クリントさん演じるロバートは、クリントさんは年を取ってもイケメンだと

思いますし、どちらかというとオジサマ好きな私の好みではありますが当時の

クリントさんは60代で、プライベートではお子さんも生れたりしてたみたいなので

60代といえども現役バリバリだったのでしょうが、フランチェスカの家の庭で上半身裸

で水浴びをしている姿がどう見てもお爺さんの体にしか見えなくて残念でした。

そして家の2階の窓からそんなロバートの上半身をチラ見してエロティックな気分に

なっているフランチェスカにも「え…あれ、ありなの?フランチェスカの趣味が

ちょっと分からない」と思ったし、むしろあのシーンはなくてもよかったとさえ

思うのですが、クリントさんにとっては自慢の上半身で、是非とも披露したかった

のでしょうかね?というか、あのシーンを撮るのならクリントさんにはもうちょっと

鍛えて欲しかったわ。。。

 

あらすじにも書きましたが、四日間の恋物語なので、最終的にフランチェスカ

家庭を選びます。でも「一緒に来て欲しい」といったロバートも決して遊びでは

なかったのですが、短い恋ほど時間が経てば経つほど美化されますよね?

初恋も同じようなものだと思います。綺麗な別れ方なら尚更です。嫌な部分を目の

当たりにする前にお別れするんですから。

 

それはさておき、この映画はフランチェスカが亡くなり、彼女の遺書を子供たち

(そういう子供たちも結婚し子供もいて夫婦問題に直面していたりします)が

読むところから始まり、最初は父以外にも愛した男性がいたと知り憤慨する娘と

息子ですが、遺書を読み進めていくうちに彼女の「人生の全てを家族に捧げた。

残りの体はロバートに捧げたい」という願いを叶えることにします。

フランチェスカより先にロバートが亡くなっており、その際に彼女の元にロバートの

遺品が送られてきているので尚更そうしたいと思う彼女の想いも何となく理解でき

ます。いい年した大人の不倫映画なんて、と思っていましたが、確かにそういう

シーンの方が多いですが彼女の遺書を知るとただの不倫映画というよりは大人の

ラブストーリーという見方になって、小説がベストセラーになったのも何となく

分かる気がしました。何となくですよ!念のため。

そして何といっても、映画の終盤で夫と買い物中のフランチェスカの前にロバートが

現れます。雨の中何も言わず遠くから夫が運転する車の助手席にいる彼女を見つめる

ロバート、それに気付いたフランチェスカ、車のドアノブに手をかけロバートの元に

行きたい、でも行けない、だけど行きたい~と一人葛藤するシーンがあるのですが、

車のドアノブだけで演技するメリル・ストリープさん、さすがです。車のドアを開け

ようか開けまいか、それだけで彼女がものすご~く葛藤しているのが伝わりましたよ、

私には。

 

私としては不倫を肯定も、否定もしません。長い人生の中では結婚後に恋をしてしまう

ことがあっても不思議ではないと思っています。節操のない、恋愛とは呼びたくない

ような関係は別ですが。何をもってして恋愛と呼ぶのかももはや分かりませんが。

結婚後に「好きな人に出会ってしまったの」みたいな「純粋に好き」だと言えば不倫の

免罪符にでもなるのかと思うような「恋愛」にすり替えるのは好きではないが、最近は

晩婚化しているとはいえ20代でこの人と一生を添い遂げようと思える判断力が果たして

備わっているのか自分のことも含め疑問に思います。特に女性の場合は出産とういう

身体的な問題もありますので子孫繁栄に貢献することを切望される方は特に遅いよりは

早い方がよいのかもしれませんが、この出産のタイムリミットって酷だなと思うので、

晩婚化に伴い女性の体も変化して欲しいと願う今日この頃。。。無理だよね。

 

長くなってしまいましたが、確かに結婚前や新婚でまだ恋愛の延長上にいるような

感覚だと観ようとも思わないでしょうし、そういう私も公開当時は若かったので

中年の恋愛とか気持ち悪いとえさ思っていたので、例え観ても理解や共感は決して

持てない映画かもしれませんが、結婚したりパートナーと長く過ごしてすっかり

家族になり、お互いに不満を持ったりするような頃に観るとそれまでと違った

イメージが持てる映画なのかなと思います。

かといってこの映画を観て大人のラブストーリーに憧れもしませんが。

女性だけでなく、既婚男性にも中年の女性の女心を少しだけでも分かってもらえたら

ラッキーかもという感想を抱いた映画でした。

 

それではまた~(^^)/