ドラマと紅茶

ご覧頂きありがとうございます!映画と海外ドラマの簡単な感想と日々の出来事について少し 流行りには疎いです

映画「シェイプ・オブ・ウォーター」感想 嫌いじゃないこういう大人のお伽噺

 2017年にアメリカで、2018年に日本で公開されたギレルモ・デル・トロ監督、

アカデミー賞に多くの部門でノミネートされた作品。

ずっと観たいと思っていたけど、忘れていました。

テレビが修理から戻ってきたので早速観ました。

 

それとまたもやタイトルで勝手にジョーズ的な話だと思っていたのですが

全く違うお話で、正にファンタジーと言える映画でした。

ネタバレありの感想になります!

 

シェイプ・オブ・ウォーター (字幕版)

シェイプ・オブ・ウォーター (字幕版)

  • 発売日: 2018/05/11
  • メディア: Prime Video
 

 簡単なあらすじです。

1962年、アメリカとソ連の冷戦時代。

主人公のイライザは赤ん坊の時に川で発見された孤児で声帯に傷を負い、首に傷跡が

残っている。そのため、耳は聴こえるが声が出ないので話せない。友人と言えば隣人

のジャイルズという初老の絵描きの男性。航空宇宙研究センターの夜間清掃員として

働いている。ゼルダという同僚と仲が良い。

そんな研究センターにある日、謎の生物が運ばれ、その部屋の清掃をするようになる

イライザ。いつしか彼女は謎の生物である半魚人と意思疎通が出来るようになるのだが

アメリカ側はこの謎の半漁人の生体解剖をすると言い出すし、一方アメリカに半魚人に

ついて知られる前に殺そうと企むソ連側とどちらにしても命を狙われた半魚人の命を

救うべくイライザは奔走するのだが…というお話。

 

ここから思いっきりネタバレしておりますので未見の方はご注意を!

 

実はファンタジーもどちらかというと苦手なのですが、この映画は観れました。

途中で出てくるミュージカルっぽいシーンも少ないのであっても違和感もなかった

ですし、まさかの半魚人と人間のイライザの恋のお話だとは全く予想だにしていな

かったのですが、最初こそ半魚人に気持ち悪さを感じましたが、イライザと交流して

いくうちに気持ち悪いと思っていた生物に肩入れするようになる私。

 

イライザたちによって何とか研究センターから逃げ出せた半魚人、暫くイライザの部屋

で匿われるのだが、イライザは「話せない私を、ありのままの私をみてくれている」と

同じく言葉を持たない半魚人に恋をすることに「え…」と思ったんだけど、二人?の

交流をみていると分からなくもないと思ったが、まさか性行為までするとは思ってい

なかったので「うそー?どうやって及んだの」と思ったのだけど、その辺はしっかり

ゼルダとガールズトークで下ネタを手話で説明していたところも面白かったです。

更に、この半魚人がジャイルズの頭を触ると髪の毛が生えてくるし、傷に触れると翌日

には綺麗に治っているというまるで神様にしか出来ないような人智を超えた力がある。

私も色々触って欲しいところいっぱいあるんだけどなーと思いながら観てた。

 

ただイライザもいつまでもこのまま自分の部屋で匿うことに限界があることは分かって

いるので川から海に戻そうとするのですが、追ってきた研究センターの元軍人で警備の

ストリックランドに追い詰められ桟橋で撃たれ倒れるイライザと半魚人。愕然とする

ジャイルズ。あー、ここで二人とも死んで終わりというパターンかなーと思った瞬間、

半魚人が生き返った!この時点でもう最後は想像に難くない。ストリックランドに反撃

して喉を掻っ切った。そして彼は死んだイライザを抱き上げて一緒に川に沈んでいく

のだが、イライザにキスをすると息を吹き返すイライザ。するとイライザの首の傷跡

からエラが出てきた!なるほど彼女の幼い頃からあった喉の傷はそこに繋がっていた

のねー、ということと、ジャイルズの髪を生やしたり傷を治したのにイライザの声帯は

治さなかったのって、もしかしてイライザが川で見つかった孤児ということも関係して

いて、半魚人は映画の冒頭でエラ呼吸と肺呼吸が出来ることが判明しているのだが、

イライザにエラが出現したことから実は彼女も半魚人か半魚人と人間のハーフだった

のではないか?と私は解釈しました。

いや、エラは半魚人のキスで出来てこの後は二人で水中で幸せに暮しましたとさ、と

いうお話だったのかもしれないですが、私としてはイライザの出自や首の傷跡等から

彼女も実は人間ではなかったのではないかと思った次第です。

(この件に関しては考察されているブログ等他にありますので、詳しく知りたい方は

そちらでご確認下さいませ。)

幸せに暮しましたとさ、のエンディングでよかったですし、この辺りの解釈は色々ある

と思いますが、この逆人魚姫というか、美女(イライザも決して美女とは思えないですが)

と野獣の野獣が王子様に変わらないお話は個人的には久しぶりに純粋にお伽噺として

楽しめました。

イライザを支える周りの人も良い人達でしたし、主演の俳優さんもよかったです。

映像も綺麗でした。特に水中で愛し合うシーンがよかったです。

前半は緑を基調としていて、後半(イライザと半魚人が結ばれた後)は赤になって

シェルブールの雨傘」を思わせる配色も私には好みでした。

 

偏見を持たないイライザに関しては子供にもいいと思いますが、エロティックな

シーンや暴力的なシーンも多いのでお子さんには見せられないですね。。

R指定になるのが分かりました。個人的には久々に素敵なファンタジーを観たという

感想です。

 


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それではまた~(^^)/