ドラマと紅茶

ご覧頂きありがとうございます!映画と海外ドラマの簡単な感想と日々の出来事について少し 流行りには疎いです

映画「ファニー・ゲーム」感想 個人的に救いのない胸糞悪い映画ベスト1

1997年にオーストリアで、日本では2001年に公開されたミヒャエル・ハネケ監督の

作品「ファニー・ゲーム」。

 

早速本題に入ります。ネタバレありです。

(「ダンサーインザダーク」のネタバレもあります)

ファニーゲーム [DVD]

ファニーゲーム [DVD]

  • 発売日: 2009/06/26
  • メディア: DVD
 

 簡単なあらすじを。

休暇を過ごすために別荘にやってきたショーバー一家。途中、隣人と挨拶を交わすが

白シャツ、白ズボン、白手袋をした見知らぬ青年の二人組。夫と息子はセーリング

準備を、妻のアナはキッチンで食事の準備をしていると先ほどの白シャツの二人組

が「隣の家の人から卵を分けてもらってきて欲しいと言われた」と言います。礼儀

正しかったのでアナが卵を渡すと卵を落として割ってしまう。そして「犬が吠えた

から卵を落とした。卵をくれ」と言います。アナは彼らを徐々に不審に思い帰って

もらおうとしますが、帰るどころか居座る二人。夫のゴルフクラブを手に取り「試し

打ちがしたい」と言って外に出ると犬の鳴き声が不自然に泣き止み、それを不審に感じ

た夫が戻り彼らに「帰ってくれ」というと彼らは夫の足をゴルフのパターで殴打する。

それから「明日の朝までに君たちが生きているか死んでいるか賭けをしよう」と

にこやかに言い、息子に白いクッションカバーをかけ残虐な行為が始まり…

というお話。

 

映画が始まってすぐに気味が悪い。とにかく二人組の青年が不気味。犬を殺しただけ

でなく、夫の脚を殴打して早々にこの一家を制圧するところからしてもう嫌な予感しか

ない。だけどどうなるか気になるので観るんだけど、「え…嘘でしょ。。」と思った

けど、本当に子供から殺されるから呆然。しかも自分の目の前で殺されたら残された

親にはもう絶望しかないじゃん!と思ったんだけど、何故かこの夫婦一応逃げようと

頑張るのよね。私だったら子供が殺された時点で早いとこ自分も殺してくれって思う

けど。自分たちの子供が殺されたら自分も生きていたくないと思うのは万国共通では

ないのでしょうか?どちらにしろ殺してと言っても素直に殺してはくれなさそうです

けどね、この二人にとってはゲームですから殺したら楽しみが終わっちゃうし。

夫も自分が足かせになってしまうから妻だけで逃げろと言いますが、そう言われても

ねぇ、せめて子供と一緒なら夫置き去りもアリだけど、仮に自分だけが逃げられたと

しても携帯電話も壊されてるし、お隣さんまで距離があるからすぐに助けを呼ぶことも

出来ないとなると私でもやっぱり夫だけを置いてはいけない。というより本当に早く

殺してと思う。なんて話している内に不気味な二人組が車に乗ってその場を去るので

水没した携帯に電源が入ることに気付いたアナは夫を置いて別荘から逃げ出して道に

出ると、車のライトが向かってくるのであの二人組かと隠れるが、自分達の車では

なかったので助けを求めようと手を挙げると後ろからまた車が。はい、また捕まった。

おまけに夫も殺されてる。もうこの飼い殺し状態みたいな地獄絵図、今まで観たこと

ない。そして明け方、二人組にヨットに乗せられているアナ。二人組が割とインテリ

っぽい会話をしているすきに船に落ちていたナイフを拾おうとしたアナに気付いて

彼女をドボン。アナ溺死。私もアナと一緒に沈みそうな気分になった。

 

そしてまた隣の別荘へ行き「アナに頼まれて卵を分けて下さい」で終わるんだけど、

結局逃げ切れないこのお話、グロい描写は一切ない。にも拘らず私の胸糞悪さは

「ミッドサマー」や「ダンサーインザダーク」よりも何十倍も気分が悪い。

いや、「ダンサーインザダーク」は最後の最後で絶望の後に希望があると思うんです。

だって最後にセルマは自分の意志とは違っても死により自分の悲劇から解放されて、

息子は手術出来て視力を失わなくて済むという希望があるからそこまで「鬱映画」

だとか「胸糞悪い」とは思えないんです。

「ミッドサマー」は主人公は一応生き残ったし。

ですが、この映画のタイトルの「ファニー・ゲーム」ってどこがファニーなのか説明

して欲しいわ。不気味な青年が理由もなくゲームで人を殺すのがファニーなんでしょう

けど。アナが車に助けを求めた時のあの絶望感、恐怖しかないこれこそが誰一人として

救われないし逃げも出来ないし観ている私も一息もつけない「救いのない映画」です。

気分が悪すぎて二度と観たくないです。でも嫌いじゃないです。

 

二度と観たくなかったんですけど、妹夫婦に「何か面白い映画ないー?」と聞かれた

ので「ファニー・ゲーム」は?と勧めたら、何故か一緒に観ることになってしまって

当時はまだTSUTAYAでレンタルしていた妹一家と一緒にTSUTAYAで探したらハネケ監督

が自らハリウッドでリメイクしたUS版しか置いてなかったんですけど何でだろう?

個人的にはオーストリア版を勧めたかったのに。。で、私も仕方なくUS版を観たので

すがストーリーは全く同じなのに、やっぱりオーストリア版の方が不気味さ最強でした。

ストーリーを知ってしまっているから、というよりわざとなんだろうけど、何で

不気味さ半減させたんだろう?

 

なのでもし未見でこれから観てみようと思われた方がいらしたら可能なら

オーストリア版をおススメします。

ファニーゲーム U.S.A. [DVD]

ファニーゲーム U.S.A. [DVD]

  • 発売日: 2009/06/26
  • メディア: DVD
 

 それではまた~(^^)/