ドラマと紅茶

ご覧頂きありがとうございます!映画と海外ドラマの簡単な感想と日々の出来事について少し 流行りには疎いです

映画「わたしを離さないで」感想 やっぱりこういう話はフィクションがいい

 実はこちらの映画の感想を書こうと思って前回は映画「私の中のあなた」の

感想を書きました。それに比べるとこちらはSFなので全く違うと言えば違いますが、

似てると言えば似ているということと割と前述のお話とセットで話すことが多いので

予め「私の中のあなた」を書いておきました。

 

こちらはカズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞して有名になりましたよね。

その前から有名だったみたいですけど。というのも、私はあまりSFが得意ではなく、

恥ずかしながらこの小説を知るまで存じ上げませんでした、カズオ・イシグロさんを。

ですが彼の小説「日の名残り」の映画は昔に観てました。アンソニー・ホプキンスさん

が主演で老執事の生涯の話で殆ど記憶にありませんが、ハンニバルさんに化けないか

ドキドキしてましたが大丈夫でした。というか途中で寝てしまいました。

 

村上春樹さんの作品も得意ではないのですがノーベル文学賞は受賞して欲しいです。

 

この小説を知ったのは日本でドラマ化されるのもちろん、その前に既にハリウッドで

映画化されていましたし、それ以前より家にありました、この小説。

SF好きの夫がこの小説を購入したらしいのですが、ネットとテレビ以外の活字を

読まないので何故小説を購入したのか謎で(そういう本がたくさんあります、俗に

言うコレクションマニアってやつでしょうか?所有したら満足ってやつ)、その上

タイトルが「わたしを離さないで」となっていたので勝手に恋愛小説?ん?え?と

思って暫く私も放置していましたが、読まないなら処分するよー、てか何?これ?

と聞いたら「知らないの?SFだから、それ」と言われ「はい?」と思って読んだのが

始まりでした。ですが、私、あまり読書はしていませんがその中でもふと気付いた

ことがありまして、やはり原文で読めたら一番良いのでしょうが私には無理なので

翻訳者にもよるんでしょうが、翻訳されていても元が外国語で書かれた文章って

元が日本語の本や小説より何だか読みにくく感じます。私だけかな?

なので得意の途中で放棄をし、数年後にハリウッドで映画化されたのを知ったので

そちらで観ることにしました。

ここから映画の感想になります。ノーベル文学賞を受賞されているので有名だと

思うのでネタバレありで書きます。サスペンスやミステリー、スリラーでもない

ですし、この映画はネタバレありでもあまり差し支えないかなと勝手に判断しました。

何も知りたくない方はここでストップして下さい。

 

小説は2005年に発表、日本語版は2006年に出版され、映画は2010年に公開です。

因みに日本のドラマは2016年に放送されています。

ストーリー以外のことをあまり調べずに観たので、途中までキーラ・ナイトレイ

出てることに気付きませんでした、好きな顔なのに。 

 

ざっくりあらすじは 1970年末から1990年末にかけて、臓器提供のためにクローンを

作ることが許された世界でお金持ちが依頼し作られたクローンたちの一生のお話。

臓器提供が可能になる年齢までは自分がクローンであることは知らず(それらしい

ことは先生の口から彼らへ伝えられているのですがこの時点ではまだ漠然としか捉えて

いなかったと思います)特別な施設で育ち、社会に出てから彼らを待つ運命を彼ら自身

も知ることになり、それで人生を終えるまでの彼らの生涯の物語です。

 

ありきたりな言葉ですが、一言でいうならとても悲しいお話です。クローンとはいえ

自分の宿命に抗わず生きる様は、普段からくだらないことで不満や文句を言ったり

する自分や、クローンを作って長生きしようと自分のエゴを満たすことしか考えない

一部の人たちはなんて我儘な人間なのかと思い知らされると共に、病気になったのは

仕方がないにせよ、とてもデリケートな問題でもあるので何とも言い難いですが

病気も可能な範囲で受け入れて生きるのが人間のなのかも?とも思います。

 

彼らの中には「介護人」という職につくケースもあります。この「介護人」とは

依頼主に臓器提供が必要になった時、当然クローンである彼らを介護する人が必要に

なるのでその彼らの世話をする「介護人」なのですが、そんな介護人の彼らにも

最後の時が来ます。その時に主人公のキャシーが放った台詞にある、

 

「私達の人生は、私達が救った人々の人生と比べてそんなに違うのだろうか(略」

 

この言葉が突き刺さりました。観てる側は早々に彼らが臓器提供のためのクローン

だと分かりますが、彼らの人生を映画を通して見ているとどこにでもいる同じ年代の

若者と何ら変わりません。友人と遊んだり、恋をしたり、喧嘩もしたり。。。

彼らはクローンですが、ただの肉体ではありません。それぞれ性格も意思も個性等

他の人間と変わらないんです、臓器を提供しなければならないということ以外は。

故に寿命が100歳と言われる人間より極端に短い寿命以外は。

成長していく過程で自分が何のために存在するのかを知り、それを受け入れて

生きていく、人生を全うする純粋でもある彼らが悲しすぎます。

クローンと人間と何が違うのか、現代の科学でも遺伝子が同じな以上明確な区別は

不可能ですよね?間違っていたら優しく教えてください。

だから現代でもクローンを作る技術はあっても作ることを禁じられているんですよね?

(一部そういった倫理的な部分や決め事を無視して作った例もあるみたいですが)

 

これは冒頭でも述べたあくまでも「SF」なのでこの話はこれでいいと思えるし、

今後どうなるか分からないクローン技術について考えるきっかけにもなる映画

だと思いました。この映画に出てくるクローンの彼らがとても純粋なので(そう

教育されていたとしても)悲しいと思うのかもしれませんが。もしこのクローン達が

生意気で憎たらしくて犯罪を犯すような存在だったら「どうぞどうぞ」と思うのか

も分かりませんが。

SFでありながらヒューマンドラマでもあると思うので未見で興味を持たれた方が

いらしたら是非ご覧になってみて下さい♪

 

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日本のドラマも当時はリアタイで観ていましたが、日本版にアレンジはされていますが

概ねストーリーはそんなに違いはないと思います。若干そんな部分あったっけ?と

思ったところもありましたが、大筋は映画と変わっていなかったと思います。

個人的には映画の雰囲気の方が好きです。

小説の原題が「Never let me go」なので映画の方がタイトルの意味も含めて

しっくりくる気がします。

日本のドラマでもこのタイトルについてはしっかり描かれていたと思います

(「わたしを離さないで」の意味というより「Never let me go」という言葉の

使われ方と言った方がいいのかもしれません)。

三浦春馬さんが出演されていて好演されていました。

日本のドラマの方はAmazonプライム、Hulu、パラビ、U-NEXT等割と

多くの動画配信サービスで提供されています。

 

 

それではまた~(^^)/